漆喰細工しっくいざいく)” の例文
この服装なりが一番似合うとおおいに得意になって写真までった。服部長八の漆喰細工しっくいざいくの肖像館という見世物に陳列された椿岳の浮雕レリーフ塑像はこの写真から取ったのであった。
それからあのいつもの漆喰細工しっくいざいくの大玄関をはいってそこにフロックコートに襟章でも付けた文部省の人々の顔に逢着するとまた一種の官庁気分といったようなものも呼び出される。
帝展を見ざるの記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
角店のこの家はッつきが広い土間、その他は外から余り見えない。階下と二階の戸袋は化粧塗りの、漆喰細工しっくいざいくで、階下は家号を浮きあがらせた黒地に白、二階は色漆喰の細工物で波に日の出
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
松屋呉服店から二、三軒京橋きょうばしの方へ寄ったところに、表附おもてつき四間間口しけんまぐちの中央に弧形ゆみなりの広い出入口を設け、その周囲にDONJUANという西洋文字を裸体の女が相寄って捧げている漆喰細工しっくいざいく
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
まるでたこの絵みたいな漆喰細工しっくいざいくの飾り絵がしてある事だった。
四谷、赤坂 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)