滅多無性めったむしょう)” の例文
彼はそこにあった、鉛のくずを叩き固めた様な重い不恰好ぶかっこう文鎮ぶんちんで、机の上を滅多無性めったむしょうに叩きつけながら、やけくその様にそんなことを怒鳴どなったりした。
夢遊病者の死 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
寒中にも拘らず、一同汗びっしょりになって、滅多無性めったむしょうに働いた甲斐あって、思ったよりも仕事がはかどった。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そして矢庭やにわに走り出した。五十男の彼が、まるで駈っこをする小学生の様に滅多無性めったむしょうに走った。
幽霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それはその町のとある空地あきちに、だいテントを張って興業していた、娘曲馬団の客寄せ楽隊で、旧式な田舎いなか音楽が、蛮声ばんせいを張り上げて、かっぽれの曲を、滅多無性めったむしょうに吹き鳴らしているのであった。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)