浪漫的ロマンてき)” の例文
しまいに「本郷台町の三階から遠眼鏡とおめがねで世の中をのぞいていて、浪漫的ロマンてき探険なんて気の利いた真似まねができるものか」と須永から冷笑ひやかされたような心持がし出した。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今朝けさ見ると彼女の眼にどこといって浪漫的ロマンてきな光は射していなかった。ただ寝の足りないまぶちが急にさわやかな光に照らされて、それに抵抗するのがいかにもものういと云ったような一種の倦怠けたるさが見えた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)