浩渺こうびょう)” の例文
房総第一の高山の頂上に立った清澄の茂太郎は、この時、日が全く落ち、親しい星がかがやきはじめ、落日の遠く彼方あなたに、浩渺こうびょうたる海の流るることを認めました。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
江山こうざん洵美じゅんびこれ吾郷わがきょう」〔大槻盤渓おおつきばんけい〕と、身世しんせい誰か吾郷の洵美を謂はざる者ある、青ヶ島や、南洋浩渺こうびょうの間なる一頃の噴火島、爆然轟裂、火光煽々、天日を焼き、石を降らし、灰を散じ