浅葱幕あさぎまく)” の例文
借りた品物の中には切落の浅葱幕あさぎまくや下座の大大鼓などまで揃つてゐた。しかし中には手製をしなくてはならぬ品もあつた。譬へばお三婆を殺す時に用ゐるまるたなどである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あおい光は浅葱幕あさぎまくを払つたやうにさっと消えて、ふすまも壁ももとの通り、ともしびが薄暗くいて居た。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
色ざめし浅葱幕あさぎまくしどけなく張りもつらねて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)