活計ぐらし)” の例文
そのまた中を合乗で乗切る心無し有難ありがたの君が代に、その日活計ぐらしの土地の者が摺附木マッチはこを張りながら、往来の花観る人をのみながめて遂にまことの花を観ずにしまうかと
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その頃あらたに隣家へ引移ッて参ッた官員は家内四人活計ぐらしで、細君もあれば娘もある。隣ずからの寒暄かんけんの挨拶が喰付きで、親々が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり、毎日のようにといとわれつした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)