河豚汁ふぐじる)” の例文
あたるもんですか、——若い時分には、四人で河豚汁ふぐじるをやって、三人まで死んだのに、あっし一人腹がチクリともしなかった事がありますよ、毒なんぞにやられるようなヤワな身体じゃねえ」
その代り、人も嫌い自分も好かぬうそとなる。嘘は河豚汁ふぐじるである。その場限りでたたりがなければこれほどうまいものはない。しかし中毒あたったが最後苦しい血も吐かねばならぬ。その上嘘はまこと手繰寄たぐりよせる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
河豚汁ふぐじるの宿赤々とともしけり
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
「親分、河豚汁ふぐじるじゃ十手捕縄にも及ばないじゃありませんか」
「親分、河豚汁ふぐじるぢや十手捕繩にも及ばないぢやありませんか」