“ふぐじる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
河豚汁62.5%
海豚汁25.0%
鰒汁12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その代り、人も嫌い自分も好かぬうそとなる。嘘は河豚汁ふぐじるである。その場限りでたたりがなければこれほどうまいものはない。しかし中毒あたったが最後苦しい血も吐かねばならぬ。その上嘘はまこと手繰寄たぐりよせる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「中るもんですか、——若い時分には、四人で海豚汁ふぐじるをやつて、三人まで死んだのに、あつし一人腹がチクリともしなかつた事がありますよ、毒なんぞにやられるやうなヤワな身體ぢやねえ」
鰒汁ふぐじるをぐらぐら煮て、それを飽くまで食って、そうして夜中に腹が痛くなって煩悶しなければ物足らないという連中が多いようである。それでなければ人生に触れた心持がしないなどと言って居ます。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)