河原者かわらもの)” の例文
河原者かわらもの、待とう。かりにも、松井益太郎のゆくてに現われて、唐瓜とうがの化物を、風呂敷で包んだような、その面ていは、何事だ、解けっ、風呂敷を』
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あとにて河原者かわらものなと幇間たいこなと、お気が済む迄お可愛いがりなさいませよ。では、そろそろ参るかのう
まこと大名ならば素通すどおまかりならぬものを、知らぬ顔をして挨拶も致さず通りぬけるは即ちもぐりの大名じゃッ。その方共は島津の太守の名をかた東下あずまくだりの河原者かわらものかッ
おおかた落ちぶれやがって、器用なまねができるのをさいわい、河原者かわらものの群れにでも身をおとしゃがったにちげえねえんだ。弓にしてからがおそらく半弓にちげえねえよ。
「悪い段ではござりませぬ。いかに修行の足らぬ者でござりましょうとも、あれでは少し度が過ぎましょうわい。あはは、河原者かわらものならば男の良いのがとりえでござりましょうが、み仏に仕える者ではな、かえってじゃまでござりましょうよ」