沙翁さをう)” の例文
若し沙翁さをうの『ハムレツト』を読んで、其第一幕のうち、ハムレツトが父王の亡霊と語るあたりの、戦慄を禁ぜざる光景を真に味はむと欲する者あらば、来つて我が四畳半に入れ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
希臘神話の中に出て来る魔法使ひの女サーシーはこのマンドレークを最も屡々しば/\使用したといはれて居る。この迷信は余程久しい間行はれ、沙翁さをうの劇の中にも度々たび/\引用せられてゐる。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
デンマルクの狂公子を通じて沙翁さをうの歌ひたる如くに、我は天と地との間をひめぐる一痴漢なり、崇重そうちようなる儀容をなし、威厳ある容貌を備へ、く談じ、能く解し、能く泣き、能く笑ふも
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)