水調子みずちょうし)” の例文
閉切った障子の中には更に人の気勢けはいもないらしいのに唯だ朗かに河東節かとうぶし水調子みずちょうし」の一曲がかなでられている。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
塀の中から、お綱であろう、周馬を待つ間の退屈しのぎに、探し出した三味線の糸をなおして、薗八節そのはちぶし隆達りゅうたつか、こッそりと爪で気まぐれな水調子みずちょうしらしている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なあに、寝ちゃあいないよ。いい気持であの水調子みずちょうしを聞きれていたのさ。……今何刻なんどきだえ」
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水調子みずちょうし
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)