水精ニンフ)” の例文
さあ、これから出かけよう。お次は、三人の白髪しらがの婆さん捜しだ。その婆さん達が、水精ニンフ居処いどころをわれわれに教えてくれるんだからね。
と思うと、ひどく退屈な表口についた扉が、思いがけずある大胆な即興の意匠で、流暢な線とあざやかな色とで——酒徒バッカント水精ニンフや、ばら色の裸形などで、ふちどられていたりする。
神の剣 (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)
つまり何もかもが何処どこにでもあるのと同じ調子で、ただ一つちがうのは、中の一枚の絵に描かれた水精ニンフが、おそらく読者もついぞこれまでに見たことがないだろうと思われるような
水精ニンフの群れ
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『彼等が君に、飛行靴とびぐつと魔法の袋と隠兜かくれかぶととを持っている水精ニンフ達の居る所を教えてくれたら、すぐにも眼を返してやろうと彼等に言い給え、』
そこは水精ニンフたちやアヘロオス河の徳をたたえるために、奉納像や敬虔けいけんなささげ物でかざられている。小川がこの上もなく清らかに、枝を張ったあの樹の根もとの、なめらかな小石のうえを流れてゆく。