水撒みずま)” の例文
そこで思いついた水撒みずまきだあね。この大銀杏は、誰も知ってるとおり熊本城の名物じゃで、ひとが皆、惜しがっているにちがいない。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夏の長い日もようやく暮れて、家々の水撒みずまきもひと通り済んで、町の灯がまばらにきらめいてくると、子供たちは細い筒の花火を持ち出して往来に出る。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
八つの年初めてお目見得に上って、お茶との御所望があったとき、あやまってお膝の上にこぼしたら、ほほう水撒みずまきが上手よのう、と仰せられた程の殿である。
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)