毛筋棒けすじ)” の例文
お妾は抜衣紋ぬきえもんにした襟頸えりくびばかり驚くほど真白に塗りたて、浅黒い顔をば拭き込んだ煤竹すすだけのようにひからせ、銀杏返いちょうがえしの両鬢りょうびん毛筋棒けすじを挿込んだままで
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
おしょさんがたぼをかきつけているうまさ——合せ鏡で、毛筋棒けすじのさきで丸髷の根元をなでている時かつらのように格好のいい頭を、あんぽんたんはじっと見つめていた。