毛剃けぞり)” の例文
近松が書いた為に、京阪の見物の馴れによつたが為に、毛剃けぞり九右衛門さへ、柳町であんなに臆病なところを暴露させられてゐる。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
毛剃けぞり九右衛門のような船頭ときもに毛の生えた上乗うわのりに差配をさせて、呂宋ルソン媽港マカオのあたりまで押し出させる一方、北条の運漕までも引受け
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そのなかで私が新蔵について記憶している役々は「奴道成寺やっこどうじょうじ」の狂言師、「博多小女郎はかたこじょろう」の毛剃けぞり、「陣屋」の熊谷くまがい、「河内山こうちやま」の宗俊そうしゅんなどで
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)