正義まさよし)” の例文
誰も自らその難局に当ろうというものが無くて、到頭とうとう病気の松方まつかた正義まさよし〕侯〔爵〕に大任を持って行った。到頭一週間の時日を費やした。
文久二年に鹿太は十五歳で元服して、額髪ひたひがみり落した。骨組のたくましい、大柄な子が、大綰総おほたぶさに結つたので天晴あつぱれ大人おとなのやうに見えた。通称四郎左衛門、名告なのり正義まさよしとなつた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)