正伝しょうでん)” の例文
母親から正伝しょうでんを伝えられたと申すことでございますが、なに、それははたで聞いていてほんとに陰気な歌なのでございます、三味の手にしましても数の知れたものでございます
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
教外別伝を説くものの主張はこうである、釈迦は一代の教法を宣説するほかに、さらに拈華瞬目ねんげしゅんもくのとき破顔微笑はがんみしょうした摩訶迦葉まかかしょう正法眼蔵涅槃妙心しょうぼうげんぞうねはんみょうしん正伝しょうでんした、それを嫡々相承ちゃくちゃくそうじょうしたのが禅宗である。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
芝の源助町に道場をひらいて荒剣こうけんぷう江府こうふの剣界を断然リードして、そのうで、そのたん、ともに無人の境を行くの概あった先生に、神保造酒じんぼうみきという暴れ者があった。神保造酒……無形むぎょう刀流とうりゅう正伝しょうでん
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)