止流とめりゅう)” の例文
それはいわゆる「お止流とめりゅう」といって、姫路藩以外の者に古中条流を伝授してはならぬという固い禁制があったのだ。
半化け又平 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「柳生流は、治国の剣、見国の兵法を本義といたす。ゆえにお止流とめりゅうでもある。何度いっても同じ事」
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしこれは姫路藩のお止流とめりゅうにて、他国の者には伝授禁止とござりますゆえ、致し方なく身分を偽り、下郎となって住込んだのでござります、——以来一年
半化け又平 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
せっかくの御所望ではあるが、柳生流は将軍家のお止流とめりゅう何人なんぴととも、公然の試合はゆるされない。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼を負かして、彼の名声を、自分の名声へ転じようと計っても、柳生は、お止流とめりゅうである。将軍家流である、という口実があるから、牢人剣士のそんな手に乗るようなことはしない。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)