欄下らんか)” の例文
一夜あけると、大蔵の邸は、花嫁の輿の道すじから、門前門外、すべて敷砂しきすなされ、新郎新婦の起居する一殿の欄下らんかを流れる小川の朽葉くちばまで、底の透くほど、きれいに清掃されていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
皇后ノ宮の武士景正は、賊と渡りあって欄下らんかに斬り落され、滝口ノ武者もたくさん寄って来て「そこぞ」「彼方ぞ」「逃がすな」と、台盤所だいばんどころから藤壺にまで屋鳴やなりが駆けわたっていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)