“櫛名田姫（くしなだひめ）” の例文
すると意外にも、ここにいる、櫛名田姫（くしなだひめ）と云う一人娘を、高志（こし）の大蛇（おろち）の犠（いけにえ）にしなければ、部落全体が一月（ひとつき）の内に、死に絶えるであろうと云う託宣（たくせん）があった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) ／ 芥川竜之介(著)
高志（こし）の大蛇（をろち）を退治した素戔嗚（すさのを）は、櫛名田姫（くしなだひめ）を娶（めと）ると同時に、足名椎（あしなつち）が治めてゐた部落の長（をさ）となる事になつた。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) ／ 芥川竜之介(著)
櫛名田姫（くしなだひめ）はまた顔を赤めて、帯に下げた鏡をまさぐりながら、かすかに彼の言葉を押し返した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) ／ 芥川竜之介(著)
櫛名田姫（くしなだひめ）の話を聞き終ると、素戔嗚（すさのお）は項（うなじ）を反（そ）らせながら、愉快そうに黄昏（たそがれ）の川を見廻した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) ／ 芥川竜之介(著)