檻輿かんよ)” の例文
その下田より檻輿かんよ江戸におもむき、みち三島を経るや、警護の穢多に向い、大義を説き、人獣相距る遠からざる彼らをして憤励の気、色にあらわれしめたり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
遂に「重き御国禁を犯し候段不届ふとどきに付き、父杉百合之助へ引渡し在所において蟄居ちっきょ申し付ける」の宣告を得、檻輿かんよ長門に下り、野山の獄に投ぜられたり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
安政元年甲寅こういん 三月二十七日、下田において米艦に搭ぜんと欲して果さず。三月、神奈川条約成る。四月十五日、檻輿かんよ江戸に達す。九月十八日、罪案定りて藩に囚わる。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)