檜皮葺ひはだぶ)” の例文
六の宮へ行つて見ると、昔あつた四足よつあしの門も、檜皮葺ひはだぶきの寝殿やたいも、ことごとく今はなくなつてゐた。その中に唯残つてゐるのは、崩れ残りの築土ついぢだけだつた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
老僧の寺は十丁ほど東にあつて、私の家から其の天臺にかたどつたといふ二重屋根の甍がよく見えるし、老僧の庫裡くりの窓から、私の方のお宮の杉木立や、檜皮葺ひはだぶきの屋根や、棟の千木ちぎまでが見えたりした。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)