橄欖樹かんらんじゅ)” の例文
土人の売りに来たものは絵はがき、首飾り、エジプト模様の織物、ジェルサレムの花を押したアルバム、橄欖樹かんらんじゅで作った紙切りナイフなど。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
でも、トニイのやたい店は、橄欖樹かんらんじゅのかげのなかにあります。夕方になると、すぐ上の方に、あかるい街灯がいとうがともります。
街の少年 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ドイツのウユルテンベルヒのノオシヤテルに一本のリンデン(橄欖樹かんらんじゅ)がある。其の枝は幾年もの間に重くなりすぎて、百本の石柱で支へてある。
橄欖樹かんらんじゅ参差しんし交錯して、脚下に海は横たわりながら、眺望が一切利かないのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
アドリヤ海に臨んで、橄欖樹かんらんじゅにかこまれた、美しい海市である。
灰色の眼の女 (新字旧仮名) / 神西清(著)
その広場のかたすみ、橄欖樹かんらんじゅのこかげに、トニイは店をだしています。
街の少年 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)