樹牆じゅしょう)” の例文
消防自動車が三台、ヘッド・ライトで樹牆じゅしょうを照しながら砂利道をうねりあがって来、プールの水で火を消しにかかった。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
深尾は葉巻きの煙を唇の端でころがしては吹き、樹牆じゅしょうに沿って築山のほうへ歩きながら、ふと
三界万霊塔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
樹牆じゅしょうに囲まれた広い芝生の奥、赤煉瓦の煙突のついた二階建のロッジの前で車が停った。
肌色の月 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いぜんは地境いの松の樹牆じゅしょうが、ほどのいい目隠しになっていたが、陽気な国の陽気な借家人どもが、日蔭になるのを嫌って、松のあたまをちょん切ってしまったので、建物の裏側が
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
庭端にわはなの地境いになるところに、大きな松林があって、真西からさしかける陽を防いでいたものだが、樹齢五百年という有名な黒松の樹牆じゅしょうが、一本のこらず、おなじ高さに頭をちょん切られたうえ
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)