樹幹じゅかん)” の例文
そして、ふと電燈を持ち換る時などには、あたりの木の枝が、不気味な生きものの様に、ゆらめき、時としては、私自身が燈光の直射にあって、思わず樹幹じゅかんに身を隠すこともありました。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
樹幹じゅかんとこけのはえた岩石とのあいだを、人間と動物が、ひとつの集団が、荒れ狂った群衆が、ころがりながら、うずをまきながら、どっとなだれ落ちてきて、その山腹を肉体とほのおと狂乱と