植込うえこ)” の例文
自動車が玄関を滑り出て、門をまわろうとした時、植込うえこみの蔭から一人の怪漢が走り出て、ひらりと自動車の後ろに飛びのったことは、誰も気がつかなかった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
と——もみかえで植込うえこみを縫って飛び石伝いにカラカラと、庭下駄の音がそこへ急いで行く。すぐ後から二人の影、一人は由造、一人は今早駕を下りたばかりの唐草銀五郎である。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)