棗商人なつめあきんど)” の例文
次第に威猛高いたけだかとなっていた。——と、彼方の松林の蔭から、さっきの棗商人なつめあきんどの連中が、どやどやと馳けよってきた。そして口々に
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの七人の棗商人なつめあきんどは、そも何者の化身けしんだったのか。もう、ここで説くまでもあるまいが、一応いっておくなれば、それなん別人に非ずである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このとき、やや離れた松林の一端には、さきの棗商人なつめあきんど七名の顔が、まさにじろぎもせぬ七体の石像みたいに、じっと、こっちを見すましていたのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)