おうこ)” の例文
沙を運ぶ者は、ざるに容れておうこで担い、礁の破片を運ぶ者は、大きなあじかに容れて二人で差し担ってくのであった。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして、其の大きな男のうしろにもおうこで差し担ったあじかが来ていたが、それにも人夫の一人が頭と一方の足端あしくび衣片きれでぐるぐる巻きにして仰臥あおむけに寝かされていた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
為作はそう云い云い起ちあがるなり土間へおりて、壁へ立てかけてあったおうこを持って戸外そとへ出た。源吉はびっくりして起きあがりへやの中をうろうろ歩いた。
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)