枯色こしょく)” の例文
雷鳴は、おしの金剛山が物を言い出したように轟き鳴ッている。——いまここで、一ト雨来れば、枯色こしょくの田の半分以上は救われるぞ——と考え来たって、正成の頬を、白い涙のすじが垂れた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)