枕耳まくらみみ)” の例文
経之は仕えの者がやすみ、夜のあかりがほそぼそとかよう下のわたどのかたに、枕耳まくらみみを立ててやすんでいた。庭はしとみのあきから見られ、音はどこからも聞き入られるほど、館の中は寝しずまっていた。
野に臥す者 (新字新仮名) / 室生犀星(著)