板頭いたがしら)” の例文
それはお駒が二十歳はたちの冬で、それから足かけ三年の間、かれは伊勢屋の福の神としていつも板頭いたがしらか二枚目を張り通していた。
半七捕物帳:31 張子の虎 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ナニお北さん? 板頭いたがしらのかえ?」「へえ、板頭のお北さんで」「噂に聞けばお北さんは、馬子でこそあれ追分の名人、甚三という若者と、深い仲だということだが」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あの油屋の板頭いたがしら、お北さんとの噂だが、お前の歌の変ったのも、そこらあたりが原因だろうと、宿中もっぱらの取り沙汰だが、おいらもそうだと睨んでいる。……あにきこいつは考えものだぜ」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)