朱華はねず)” の例文
ほのかな紫いろの流れに、微かながらはつきりと一すぢ、朱華はねずいろの流れがまじつたのである。それが鎌足のしかけて来た恋だつた。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
唇はといふと、つい今しがた朱華はねずで染めあげたばかりといつた風に、男にしては些かどぎつすぎる生々しい色をして、黒ぐろと濃い天神ひげのかげに大きく真一文字に結ばれてゐる。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)