末野すゑの)” の例文
そして小さいやつには本物の父うはばみのやうに思はせ、汽車に乘つて上京したといふ梗概がかいてあつた。父うはばみは八幡といひ、むすめは末野すゑのといつた。
末野女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
お話すればわたくしにも悲しい一日があつた、と、今度は娘の末野すゑのが代つて見物人を見𢌞して話し出した。さうしなければ見物人が散つてしまつて商賣にならないからである。
末野女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
少女は例の末野すゑのであつた。他の者の演技行爲をゆるさないデパートに、突發した不祥事件のひまを縫つたこの歌謠うたうたひの仕事は、素早いとも何ともいひがたいものであつた。
末野女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)