未通女おぼこ)” の例文
あの『ままごと』をわたしは好きだ! 『ままごと』をひらいてお酒盛りをする! それから献上箱のふたをあける! と、人形のよそおいをした、初心うぶ未通女おぼこの女が出る。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
苦々にがにがしげな船客の顔色にも、少しも頓着とんじゃくしないふうで、ほほえみ続けながらモーター・ボートのほうを見守っているのを見ると、未通女おぼこらしくさらにまっになってその場をはずしてしまった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
夫の為に、捨てるものなら、家の為に捨てても宜しい。操などと、たわいもない、七十になって、未通女おぼこだと申したなら、よく守って来たと称められるより、小野の小町だと、わらわれよう。棄つべき時に棄つ、操を
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)