木笛フリュート)” の例文
あしの間で、ほのぼのと木笛フリュートを吹いていたわびしそうな姿が眼にうかぶ。あの佐伯氏がどんな切実な働きをしたのか聴いてみたくなった。
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
楽しそうに、ゆっくりと木笛フリュートを吹き終えると、男にしてはすこしやさしすぎる、深く澄んだ眼差しでキャラコさんの顔を眺めながら、いった。
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
箱根のあしノ湖畔で木笛フリュートを吹いていた佐伯氏は、まだこんな席へ出て来れない事情にあるので、ここにそのひとの姿はない。
木笛フリュートのあるあたりに顔を向けて、ぼんやりと立っていたが、ツと手を伸ばして手紙をほどきとるとむこうを向いて、立ったままでそれを読み出した。
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)