木不見きみず)” の例文
霧は、二人の声さえも、数歩のほかには出ない白い壁をなし、灰色の二つの影を、やがて木不見きみずの尾根づたいから猫背山の西谷の方へ塗りこめていた。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)