のたまわ)” の例文
漢学者のやうにのたまわくで何か事あれば直ぐに七去しちきょおしえたてに取るやうな野暮な心ならば初めから芸者引かせて女房にするなぞは大きな間違ならんと。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
夫子ふうしのたまわく、『衆生かならず死す、死すればかならず土に帰す。これ、これを鬼という。骨肉下陰にたおれて野土やどとなり、その気上に発揚して、昭明焄蒿悽愴しょうめいくんこうせいそうとなると、云云』
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
老人たちに何かお説教をされると「のたまわくか」と言って逃げたものである。いわんやこのごろの青年諸君のなかには、論語などと聞いても、名前も知らない人が多いであろう。
孔子とアメリカ (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
実は、益満さんに、飛んで行きましたよ、何うしようかって——するてえと、先生のたまわく、捨てておけ、と。かっとしましたよ。張扇で、叩き殺そうかと思いましたが、待てしばし。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「子のたまわくにございましたかね」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)