曇硝子くもりガラス)” の例文
「さう、四月ももうぢきですね、全くぐづぐづしてをられないなあ!」と、若い院長は立ち上りながら、曇硝子くもりガラスの外の明るい日ざしに眼をやつた。
嘘をつく日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
鼠大理石が銀の肋骨ろっこつを露出してマホガニーの木理の義足で立っているテーブル。曇硝子くもりガラスのさかずきが数限りなく重なり合い鋼鉄の尺木のあごに花を咲かせている照明燈。
バットクラス (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
小春日こはるび曇硝子くもりガラスにうつりたる
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)