晦濛かいもう)” の例文
素戔嗚すさのおはずぶ濡れになりながら、いまだなぎさの砂を去らなかった。彼の心は頭上の空より、さらに晦濛かいもうの底へ沈んでいた。そこにはけがれ果てた自己に対する、憤懣ふんまんよりほかに何もなかった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)