旋風つじかぜ)” の例文
三度が三度同じ返答で、紹巴は「ウヘー」と引退ひきさがった。なるほどこの公の歩くさきには旋風つじかぜが立っているばかりではなく、言葉の前にも旋風が立っていた。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
言いたい傍題ほうだいな事を言って居る人々も、たった此一つの話題を持ちあぐね初めた頃、噂の中の大師恵美朝臣えみのあそんの姪の横佩家よこはきけ郎女いらつめが、神隠しにうたと言う、人の口の端に、旋風つじかぜを起すような事件が
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
自分は飯綱の法を修行したが、遂に成就したと思ったのは、何処どこに身を置いて寝ても、寝たところのの上に夜半頃になればきっとふくろうが来て鳴いたし、また路を行けば行く前には必ず旋風つじかぜが起った。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)