数珠ずゞ)” の例文
旧字:數珠
余りの有難さに自分おのれもまた涙聊か誘はれぬ、さて美しき姫は亡せ果てたり、美しき尼君はり出で玉ひぬ、青〻としたる寒げのかしら鼠色ねずみ法衣ころも、小き数珠ずゞ、殊勝なること申すばかり無し
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
思ひ入て擦る数珠ずゞの音の声すみておぼえずたまる我涙かな、と歌の調は好かれ悪かれ、西行にはかに読みかくれば、彼方は初めて人あるを知り、思ひがけぬに驚きしが、何と仰られしぞ、今一度と
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)