摧飛くだけと)” の例文
時に糸川老人の宿った夜はあたかも樹木挫折ひしおれ、屋根ひさし摧飛くだけとばんとする大風雨であった、宿の主とても老夫婦で、客とともに揺れ撓む柱を抱き、わずかに板形の残った天井下の三畳ばかりに立籠たてこもった
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)