揺上ゆすりあげ)” の例文
旧字:搖上
大波に漂う小舟は、宙天に揺上ゆすりあげらるる時は、ただ波ばかり、白き黒き雲の一片をも見ず、奈落に揉落もみおとさるる時は、海底のいわの根なる藻の、あかあおきをさえ見ると言います。
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)