揚代ぎょく)” の例文
海上はしきりと登楼いたし、花里にはのべたらに昼夜の揚代ぎょくがついておりますから、座敷へ入れないことは出来ぬ、まるでわが部屋は貸し切りにしたような始末で、まことに都合がわるい。
出ないのは当り前ですと、それから順を逐て、揚代ぎょくの事纒頭しゅうぎの事箱丁はこやの事女中の事、料理屋の事待合の事船宿の事、ことごとく説明ときあきらめた揚句、遊ぶなら金を遣うこと、遣わぬなら遊ばぬこと
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
なんかんと風説うわさしております、そのうちに張見世はりみせの時刻になりましたが、総仕舞で八重やえ揚代ぎょくが付いて居りまするから、張見世をするものはございません、皆海上の来るのを待っている。