推察みこみ)” の例文
もちゃげるわけじゃありません、こりゃア、どうも凄いお推察みこみ、恐れ入りました。……仰言おっしゃる通り、如何にもそうでなくっちゃ筋が通らねえ。
「こりゃちと面妖めんようだな。わしの推察みこみじゃ、里春は、練出さない前に殺されていたはずなんだが、死人が口をきくというのはどういうものだろう」
「さっき重右衛門が、いやに北叟笑ほくそえんで駈け出して行ったが、たぶん、お前の推察みこみとおなじに美濃清をしょッぴくつもりなんだろうが、俺の推察みこみはすこしちがう」
……加代姫が帰ってからこの『かごや』にやって来たやつが下手人だという、あなたの推察みこみはいちおう穿うがったところがある。そこまではわたしも気がつきませんでした。
なみするごとき言葉の数かず、役儀熱心のゆえと解してそれは忘れてとらすが、……では藤波、はばかりなく大言する以上、このたびのお鶴吟味には、さだめし、確たる推察みこみがあるのであろうな
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
棺がふたつ入ったというおれの推察みこみにはちがいはなかったろう。奴らのほうではよほど以前からチビチビと毒を盛っているンだから、盛り加減で、だいたいいつごろお米が絶気するかわかっている。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「阿古十郎さん、じゃアあなたにはなにか、もうお推察みこみが……」