採樵さいしょう)” の例文
山口祭は古い祭である。山に入って採樵さいしょうせんとする者がいわば山神の領分を侵さんとする一つの言訳である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
以前は久しく山沢採樵さいしょうの地として人の住む者もなかったのを、後に至って開発土着する者があったとすればあるいはこれを解し得るが、この町のごとく深谷の入口にある落合の地では
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
なるほど狩猟のためまたは採樵さいしょうのために山に入る者も目標の必要があるゆえに、あるいは古木・異木によりあるいは地形によりあるいは水の音などによって、土地に符号を付けるであろう。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
村に住む者が山神をまつり始めた動機は、近世には鉱山の繁栄を願うもの、或いはまた狩猟のためというのもありますが、大多数は採樵さいしょうと開墾の障碍なきをいのるもので、すなわち山の神に木を乞う祭
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)