抜乗ぬけの)” の例文
「お久良に何か言いふくめられて、この荷つづらの内へ抜乗ぬけのり者を隠したであろう。かせッ、さ、新吉もだ!」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その一方を槍で探ってみい! この中にたしかにいる! 阿波へ抜乗ぬけのりをせんとする生きものが」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そちたちはこのつづらの金紋を何よりの不可侵境ふかしんきょうと心得て、梅渓家うめたにけの威光を借り、吾らに手出しがならぬと心得ているのであろうが、抜乗ぬけのりの者がひそんでいることは
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)