手付てつけ)” の例文
求める約束で、用意した手付てつけが五十兩、合せて六十二三兩ほどぢや、——そんな事で濟むなら、世間を騷がせる迄もないと思つたがな
なす治助なるか御意ぎよいに御座りますと答るにコレ此請取に覺えあるかと尋ねければ治助は是を見て此請取は昨日さくじつ廣小路ひろこうぢの店にてあきなひを致し手付てつけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「おれは天下の大盗だ。盗賊の慾には限りというものがない。うぬの生涯につきまとうて、うぬおとりに財宝を集めさせてはせびりに来る。今夜は初手の手付てつけというものだ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)