我法がほう)” の例文
彼のその負け目に似た自覚というのは、柳生流とか吉岡流とかいう正法な剣に向ってみると、自分の剣がいかに野育ちの型も理もない我法がほうであるかがよく分ることだった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼のひそかに自負している我法がほうも野人ぶりも振舞えなかった。こんなはずはないと思うくらい、こよいのひじは伸びてゆかない。じっと、保守的に構えを持っているのが呼吸いっぱいであった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)