懺悔心ざんげしん)” の例文
ふと小鳥のしば鳴きを聞くあのさびしい、切ない、併しすがすがしい涙を誘はうとするやうな心持は、確かに懺悔心ざんげしんになつたであらう。
表に立った総大将の天草四郎時貞ときさだと共に、焔々えんえんたる火中に飛び込んで、殉難したと聞いた時には、さすがに懺悔心ざんげしんを起こしたものである。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
人を助けるためにしても、よしまたそれがどういう理由でも、られた者のうろたえざまをみるのは、かれの懺悔心ざんげしんが人知れぬ痛みを感じる。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)